むち打ち症について、詳しく語ります
む ち 打 ち 症 と は
むち打ち症は交通事故だけでなく下記の状況下でも起こります
- スポーツ外傷により起こる
- 転倒などにより起こる
- 不意に殴られたりして起こる
- 物にぶつかって起こる
む ち 打 ち 症 の 症 状
- 首の痛み
- 腰の痛み
- 背中の痛み
- 手足のしびれ
- 頭痛
- めまい
- 耳鳴り
- 吐き気
- 不眠
- 胃腸障害
- 食欲減退
- 疲労感
- 眼精疲労
急性期のむち打ち症の時にはどうする?
急性期にはRICE処置を行います。REST(安静)、ICING(冷やす)、COMPRESSION(圧迫)、ELEVATION(挙上)。つまりもし首にダメージが出た時には、首を圧迫して固定し、心臓よりもやや高くして保持し、冷やしながら安静にすることです。
交通事故に遭った後はどうする?
交通事故に遭った後は、速やかに警察に連絡をしましょう。そのあと、できれば大きな病院で精密検査を行うことです。痛みを訴えている個所があるなら、その場所を検査します。
問題は、ここからです。事故の当日はあまり痛みや違和感をあまり感じないのです。
実際に痛みや症状が現れるのは一週間を過ぎたあたりです。
したがって、事故の当日からたとえ痛みや症状が無いとしても、一週間は仕事を休んで自宅で安静にしていることが非常に重要となります。
痛みが無いと、つい大丈夫だと勘違いしてしまいます。
一週間経過してから痛みを覚え、それから安静にしても、もう遅いのです
勝負は、事故を起こした当日からなのです
当日から一週間は痛みや症状が無くても自宅でRICEの法則に基づく生活をすることで予後が非常に良好になるのです
むち打ち症の後遺症で悩んでいる人のほとんどは、事故の直後からも仕事や学校へ行き、普通の生活をしてしまっている人達なのです
そして事故の後から徐々に体調が悪くなり、1~2週間あとから痛みや違和感といった様々な病態が現れてくるのです
また、RICE処置でも話しましたが、ICINGは、とても重要で、事故の当日から約一週間は入浴をしないことがとても重要です。とくに湯舟にゆっくりと浸かってしまうと、むち打ち症を悪化させてしまいます
また、酒などのアルコール類も事故の当日から約一週間は飲まないことをお勧めします
どんなにひどい状況下での交通事故に遭ったとしても、そのあと、一週間の生活をRICEの法則に沿った生活にし、酒を飲まず、湯舟に浸からずにさっとシャワーだけにする
もちろん運動もやらないです
この生活をするだけで、後遺症になる確率がかなり減ります
さらに言うならば、事故の当日から予防線として痛み止め(解熱鎮痛剤)を飲んでしまうこともむち打ち症の後遺症のためのいわば一つのテクニックと言えるでしょう
さらに、体の熱を取るような漢方薬も同時に服用すること
例えば、地竜、通導散、自打撲一方、など
*いつまで薬を飲んだほうがよいのか*
いま書いた西洋薬や漢方薬は交通事故に遭った日から約二週間くらいをめどに飲むとよいです
これは、何度も書いているように症状があっても無くても予防線として服用するのです
もちろん痛みや症状があるならば当然飲みますが、問題は痛みや症状が無い人はなかなか薬を飲まないんですよね
この予防線も兼ねた戦術が後から効いてきます
*むち打ち症が治らない人が急性期にやってしまっていること*
- 事故のあと、痛みが無いからと仕事や学校に普通に行っている
- 事故のあと、普通に湯舟に浸かっている
- 事故のあと、普通に酒を飲んでいる
- 事故のあと、普通に運動をしている
- 事故のあと、いつもと変りなく普通の生活をしている
*むち打ち症になっていない人が急性期に心得ていたこと*
- 事故のあと、一週間、RICEの法則に基づく生活をした
- 事故のあと、一週間、ぬるめのシャワーにした
- 事故のあと、一週間、アルコールを飲んでいない
- 事故のあと、一週間、運動をやめていた
- 事故のあと、一週間、食べる時とトイレ以外は自宅で横になっていた
どんなに衝撃が強い交通事故に遭ったとしても、事故に遭った日から約一週間をこのようなことに注意をして生活をすると、後遺症を残すことが非常に少ないです
事故を起こして二週間が経過してから当院を訪れるケースが多いです
そして決まってこう言います
「事故を二週間前に起こしてしまい、最初は痛みが無かったが、徐々に日を追うごとに首や肩、腰に違和感が出てきてしまい、いまは痛くて辛いんです。痛くて仕事に集中できません。何とかしてください」
ここまでに二週間が経過しているとするならば、この人の症状を治すにはかなりの時間が必要となってしまうのです
この時点でRICE処置や痛み止めの薬を飲みはじめても、少し手遅れなのです
いかに事故を起こしてから最初の一週間が大切かということがお分かりいただけましたでしょうか
いつ、交通事故に巻き込まれるかもしれません
今日かもしれないし、明日かもしれません
とくに車に乗る以上は、もらい事故も想定していかないとですね
このような知識を知っていると、もし自分が交通事故に遭った時にも、心配することなく対処できると思いますので、ぜひ頭に入れておいた方がいいと思います