大腿直筋と腸腰筋の鑑別診断

大腿直筋は、二関節筋で下前腸骨棘に付着しています。

 

大腿四頭筋の一種で他の三つの筋肉は一関節筋です。

 

腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋が合わさった筋肉で、小転子に付着しています。

 

下前腸骨棘と小転子は近距離にあるため、この周囲の圧痛や運動時痛などがある場合、どちらの筋肉が損傷しているのかを鑑別していかないと、その後の施術にも大きな影響を与えてしまいます

 

しかしながら、施術者の中にはこの股関節前面の痛みに対する検査と鑑別を全く理解していない者も多いとされています

 

股関節前面は、鼠径部も含めてとてもデリケートな部分なので触診や圧痛点が探しにくく、なおさら的確な検査法と鑑別を必要とします

 

鑑別診断の方法

仰臥位にて患者を寝かせ、膝関節を屈曲させた状態から股関節を術者抵抗の元屈曲させていく

 

股関節180度から90度屈曲までの途中で痛みがある場合には、大腿直筋の損傷を疑います

 

股関節90度屈曲位から術者抵抗の元深く曲げていき、最大屈曲位までの間に痛みがあれば腸腰筋の損傷を疑います

 

大腿直筋、腸腰筋以外の鑑別

 

いまの大腿直筋と腸腰筋の検査と鑑別であまり陽性度が低い場合には、他の筋肉からの影響を考えなければいけないです

 

大腿直筋(下前腸骨棘)、腸腰筋(小転子)付近に付着する筋肉とは

 

この周辺には、薄筋、縫工筋、恥骨筋、内転筋群、腹直筋下部線維など、たくさんの筋肉が存在します

 

したがって、大腿直筋、腸腰筋をベースとしてさらにこの五つの筋肉の鑑別も行うことがあります

 

大腿直筋と腸腰筋の鑑別の別法

 

上記の検査法は筋肉に負荷をかけて行う抵抗負荷検査になっておりますが、確認のために別法を併せて行うと、より的確な検査となりますので載せておきます

 

大腿直筋、腸腰筋の検査(別法)のやり方

 

大腿直筋では、横臥位にて踵を臀部の方へ引き寄せていきます。この時にポイントとしては、股関節をなるべく過伸展すること。この動作にて痛みが誘発されれば大腿直筋の損傷を疑います

 

腸腰筋では、仰臥位にてベッドの淵に体を寄せ、踵を床に落としてしまいます。この時に痛みが誘発されれば腸腰筋の損傷を疑います。

 

この二つの動作共に、前述の筋肉の抵抗負荷検査でなく、ストレッチ検査となり、筋肉を伸展させて負荷をかけております。

 

筋肉が損傷しているなら、この筋肉が伸ばされていても痛みを訴えます

 

できれば、この抵抗負荷検査とストレッチ検査の二つを行い、損傷している筋肉を確定していくことをお勧めします。

 

なぜ筋肉の鑑別が必要なのか

 

筋肉には、起始と停止というのがあります。損傷している筋肉が確定すると、基本的に西洋医学の考えでは、その一つの筋肉全体から施術をしていくことが理想的あり効果的なのです。したがって、筋肉を特定できるとその筋肉の始まる部分から終わりの部分までしっかりと施術をすることができ、施術効果を最大限に発揮することができるのです。

 

大腿直筋と腸腰筋の鑑別後、施術をするに当たってのポイント

 

一番のポイントは、大腿直筋は、浅層筋であるということ。一方腸腰筋では、深層筋であるため、電気治療などの物理療法では、刺激が届きにくいという点があります。そのため、浅いところと深いところでは、筋肉の層が違うので施術法を変えることです。とくに深層筋では、この場合腸腰筋ですが、いかに刺激を腸腰筋まで届かせるかが施術者の腕の見せ所となります。