テーピングによる腰痛改善法

まず一概にテーピングと言っても色々な種類のテープがあります。大きく分けて伸縮性のものと非伸縮性のもの。どのようにこの二つを使い分けていくかというと、固定力を高めることが目的ならば非伸縮性のものを選びます。一方で予防や慢性の痛み、とくに鈍い痛み、重だるい痛み、うずくような痛み、張っているような痛み、凝っているような痛み、違和感などの時には伸縮性のテープを使うことが多いです。今回は、慢性の痛みや鈍い痛み、凝りや張りが強い時の症状を緩和していく伸縮性のテーピング法についての話をしていきます。

 

伸縮性のテーピングの特徴とどのようにして痛みに効いていくのか

伸縮性のテーピングは、字のごとく、伸び縮みするテープのことです。この伸び縮みを上手く利用して腰の痛みを緩和させていくのですが、どのような理論で痛みに効いていくのかを簡単に説明します。このテーピングを貼る時のコツとしては、ある筋肉の起始と停止を完全に伸ばした状態、つまり伸展させてストレッチをかけた状態でテープを貼ります。またこの時にテープを引っ張りながら貼るのではなく、適度な張りを感じるくらいにしかテープを伸ばしてはいけません。貼り終わった後に、体勢を元の状態に戻しますが、戻した時にテーピングに皺が寄っていることが大事なのです。ジャバラのような皺がテープに出ていることを確認します。テープにジャバラのような皺が出ているということは、単純に皮膚をテープによって持ち上げていることを意味します。つまり、皮膚と筋肉の間の隙間をテープによって広げていくことで、その間を流れている血液、リンパ液、老廃物などを流しやすくしているのです。これらの体液をその筋肉から取り除いていくことでその筋肉の代謝が促され、筋の緊張や硬結が解消されやすくなり、結果的に痛みが解消されていくというメカニズムです。

 

実際のテープの貼り方のポイント

前文にも書いたように、この伸縮性のテープは、ジャバラを作っていかなくてはいけないので、その筋肉の解剖学を知らないとまず正確にテープを貼ることが出来ません。その筋肉の起始、停止、作用を知った上でのテープ貼付となります。さらにテープを貼りっぱなしの状態が長いほど施術の効果が高いです。テープの先端は一番ストレスがかかりやすいため、先端の約5㎜はテープを添える程度にします。ですからその筋肉の起始と停止を最大限に伸ばしていき、その状態をキープさせて約2~3割程度テープを伸ばしてその筋肉に沿って貼っていきます。太い筋肉の場合には、その筋肉の両側に沿って筋肉を包むようにY字の形にしてテープを貼る場合もあります。

 

腰のどの筋肉に貼っていくのか

一番確実な貼り方は、疼痛誘発動作を行わせ、どの筋肉に一番痛みが起こっているかを把握した後、その筋肉にしっかりとテープを貼ることです。しかし、凝りや張りを起こしている筋肉は一つとは限りません。その時には、腰に関連していそうな筋肉をある程度予測してその筋肉群にそれぞれテープで補うことも可能です。ですから複数のテープを腰に貼っていくのです。

 

腰に必要な代表的な筋肉とは

では、実際に腰に関連していそうな筋肉とは何かをここに挙げておきます。施術者の方もこれを参考にしていただければと思います。

1、脊柱起立筋へのテープ

   腰の延長線上にこの筋肉が位置しており、最も重要なテーピングとなります

2、仙棘筋へのテープ

   仙骨と棘突起に関係する筋肉で下部腰椎に位置するところにテーピングをします

3、大殿筋へのテープ

   臀部の表層に位置し、臀部全体を覆う大きな筋肉に対するテーピングです

4、中殿筋へのテープ

   小殿筋と一緒の走行で小殿筋の下を走ります

5、小殿筋へのテープ

   中殿筋と一緒の走行で中殿筋の上を走ります

6、梨状筋へのテープ

   中、小殿筋とほぼ同じ走行でやや下に位置し、深いところを走ります

7、腰方形筋へのテープ

   腰部の外側に位置し、第十二肋骨と腸骨稜の間に位置する筋肉です

8、大腿筋膜張筋へのテープ

   大腿骨の外側に位置する大きな薄い筋肉です

9、痛みのある部位にコレクションテープ

   このテーピングにより、痛みを起こしている筋肉のスライドを制限することが目的

この筋肉群をおさえていれば、ある程度の腰痛のテーピングとしての効果はかなり期待できると思います。このうち、大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋に関してはどれか一つだけを狙って貼ってもいいと思います。

テーピングを貼る時のその他の注意事項

この他に、テーピングは入浴により、剥がれやすくなる場合があります。その時は再度貼り直す必要があります。もしくは入浴後に痒くなることが度々あります。それは、入浴により水分を含んでしまうからです。どうしても痒みを抑えたいという時には、入浴後にドライヤーの送風でテーピングを完全に乾かしてください。そうすれば痒くなりにくくなります。

できればこのテーピングは、プロの施術者に貼っていただくことをお勧めします。というのは、このテーピングは、意外と奥が深く、何となく貼れているのと、ちゃんと分かって貼れているのとでは、効果が全く違ってしまうからです。実際に選手同士で伸縮性のテープを貼っている場面をよく見かけますが、ほとんどの人が上手く貼れていないようです。このテーピングを最大限に発揮させていくには、もう一度言いますが、その筋肉の起始、停止、作用が分からないと、ただ腰に貼ってある謎のテープで終わってしまうのです。しっかりと貼られてあるテープは、貼ってある本人もびっくりするくらいに腰の状態が楽になります。また続けて同じ個所に貼るような場合には、一時間くらい時間を空けてから再度貼りなおしていくことが大切です。それは、皮膚も呼吸をしております。同じところに空気がいかないと痒みの原因に繋がります。ですから一旦剥がした後は、皮膚にも空気を送ってあげ、すこし時間を置いてから貼り直してみてください。